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医大南町の家

1984年
島根県出雲市

用途 住宅
構造 木造
階数 地上2階

住宅建築1988年6月号「木造住宅15題 出雲地方の住宅5題」掲載

建築家にとって自邸というのは、いろいろな意味をもつものだろうが、私にとっては、私の住宅設計の原点となるものである。これまでに二、三の住宅は設計して来たが、この住宅を建て、そこに住むことによって一つの方向をつかむことができた。自邸を作ることになったのは、この敷地を貸してくれる友人がいたことによる。このような機会を与えてくれた友人には、心から感謝をしている。土地は確保したものの先だつものがほとんどない状態でのスタートだった。とにかく安く作るということが一番の課題だった。とはいってもせっかくの自邸とあっては、日頃考えていたことを少しでも具現化したいと思い、かぎられたボリュームのなかで一部屋だけはゆったりとした空間をもつ部屋を設けること、そして独立した個室のあつまりの家ではなく、部屋と部屋とが有機的に連続した家となるよう考えた。ゆったりとした空間の部屋として小屋裏を内部空間に取り込んだ吹抜けを作った。そのため、登り梁の方式を採用し、小屋組みを現すことになった。小屋組みの架構を現すことによって木造の架構のもつ力強い美しさを素直に表現することができたと思う。吹き抜けを通して2階の子供室と居間がつながっている。居間から子供室の、そして子供室から居間の気配を感じることができる。2階の階高は、非常に低くおさえてある。道路側から見ると一見、平屋にさえ見える。外観はできるだけ低くおさえたかった。そのほうが周囲の環境になじみやすいと思うが、私のまわりには、やたらと背の高い家がふんぞりかえっている。このあたりも古い家を見るとみなひかえめに低くおさまっていて美しいプロポーションを見せているのに、残念に思う。2階に階高の低さも小屋裏の架構を現して、内部に取り込むことで、低さを感じさせない。玄関ホールには私の書斎コーナーをはね出させ、その上にトップライトを設け、玄関ホールと書斎コーナーに自然光を取り込んでいる。
(龜谷 清)

 ▲南側外観

 ▲東側外観

 ▲居間・食堂

 ▲玄関ホール

 ▲2階ホール

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