設計主旨
出雲市へＩターンした夫婦と子供２人のための住まいに、施主の生業である木工の工房をあわせた工房住宅である。職住一体の暮らしの提案に加え、ものづくりが好きな施主が可能な限り施工に参加できる家づくりが求められた。
住宅と工房はゆるやかにつながる距離感を持たせるため、間にセミパブリックな通り土間を挟み、ひとつなぎのシンプルな切妻屋根を掛けることで、住宅と工房を一体にまとめる構成とした。
家族が協力して家事に取組みやすいコンパクトな動線計画とするため、室同士に回遊性を持たせることで廊下をなくし、その分、家族団らんに使えるリビングやダイニングを広く計画している。
施主が家づくりに参加できるよう、建物を「フレーム(構造･外壁･屋根)」と「仕上(内部仕上･建具･家具)」に切り分けて設計し、工務店が「フレーム」を施工したのち、施主が「仕上」をつくりながら住まうことができるような作り方を提案した。

建築データ
主要用途　専用住宅
建築設計　ナック建築事務所
建　　築　有限会社 石川工務店
敷地面積　415㎡
建築面積　94㎡
延床面積　128㎡
階　　数　地上2階
構　　造　木造